医師コラム

2024.05.14更新

女性だけでなく男性にも更年期があるのをご存じでしょうか?
原因はいずれもホルモン低下です。

本日は男性更年期(LOH症候群)について、
当院のデータ報告と共に、診断や治療についてお話ししようと思います。

男性ホルモンは40代から50代になると低下してきますが、女性より個人差が大きいです。

 


1.男性更年期障害の症状は?

体力的:筋力の衰えや体のだるさ
体感的:ほてりや冷え、発汗、頭痛、耳鳴り
精神的:不眠やうつ症状、不安、集中力低下、いらいら、記憶力低下
性的:性欲が減る、朝立ちの回数減少、勃起不全、早漏


競争心が強い人、神経質、几帳面、まじめ、せっかちな人が多いと言われています。

仕事や家庭の不安やストレス、体調の変化等も男性ホルモンの分泌を阻害する原因です。

 


2.男性更年期の診断は?

男性更年期障害は、採血で男性ホルモン(アンドロゲン)のテストステロン値などを測定し、
症状等と合わせて診断します。

最近、当院にて男性更年期を疑って遊離テストステロンを測定した184例の平均年齢は51.8歳でした。

上記のうち124例について男性更年期と診断し、薬物治療がおこなわれました。

当院で薬物療法を行った治療群の遊離テストステロンの平均値は7.8pg/mlでした。
(正常値のボーダーラインは8.5~11.8pg/mLです。8.5pg/mL以下は男性ホルモンが低めと判断します。)

 

ちなみに
以下は男性更年期ではなく、別の診療科を紹介した例です。

耳鼻科      めまい 1例
精神科      うつ病 1例
心療内科    うつ病  1例
糖尿病         1例
甲状腺機能低下     1例
甲状腺中毒       1例
脳神経内科       1例

 

 


3.男性更年期の治療や対策は?

治療や対策として

生活習慣の改善
ホルモン補充療法(エナルモンデポー注射)
漢方薬やED治療薬(バイアグラ・シアリス)の服用
などがあります。

 

〇生活改善

肥満や高血圧、糖尿病、喫煙の改善に努めます。
内臓脂肪の増加は男性ホルモンの低下と関係があると言われていますので、
生活の改善も有効です。

 


〇ホルモン補充療法

テストステロンが不足しているので、注射して補充してあげると非常に効果的です。

ホルモン補充療法は、血液検査や必要時超音波検査を行い、
前立腺に病気が無いこと等を確認した後、
2~4週間に1回の割合でホルモン補充療法(エナルモンデポー注射)を行っています。


なお、当院でのエナルモンデポー治療群の遊離テストステロン平均値は6.3 pg/mlでした。
テストステロンの内服は効果がありません。(全身に作用する前に肝臓で全て分解されるため)
注射して直接血中に投与するか、経皮吸収させるかとなります。

ただテストステロンの補充療法は副作用が起こることも知られております。
(動脈硬化の進行や前立腺肥大症、前立腺がんの助長や進行、AGAの急激な悪化など)

医師の継続的な診察のもと、治療を行うことが望ましいです。

 


〇ED対策

バイアグラ、シアリスの服用をお勧めしております。
勃起機能のみならず、早朝勃起の回復がQOLを改善させ、
また血中テストステロン値が上昇することが知られております。

 


〇漢方療法

補中益気湯などの漢方製剤も男性更年期障害には有効との報告があります。

 


〇男性ホルモン補充クリーム

男性ホルモン軟膏「グローミン」というものが、
第一類医薬品の取り扱いのある薬局で購入することができます。
1日2回陰嚢に塗布します。本来は医師の診察をうけながら補充することが望ましいです。

 


〇食事で行う対策

亜鉛ビタミンBの摂取が有効であることが判明しています。
(亜鉛は生ガキやレバー
ビタミンB群は水溶性のビタミンで8種類あり、赤身の魚や豚ヒレ、レバー、あさりや納豆に含まれています)

サプリメントも効率よく摂取できる対策だと思われます。

 


〇うつ症状

仕事や生活に影響のある場合は、心療内科と併用で治療を行う必要があります。

 

 

 


以上、男性更年期について、データ報告と共にお話ししてきました。

 

 

40代、50代は、自分ではどうしようもない体調の変化も起きやすく、
そんな中でも仕事や家庭で頑張っている人もいると思います。

男性更年期は個人差も大きく、人と比較が出来ない部分もあります。 

更年期で病院へ行くというのも気が引けてしまう、、と思われる方も多いでしょうし、
不調の原因は歳だから、、と更年期と結びつかない方も、きっと多いのではと思います。

 

当院では適切な検査と診断をしてから、治療を行っています。

気になる際は是非一度、受診をしてみてください。

 

2024.05.06更新

多くのクラミジア感染症を診察してきた経験を生かして、
より現場に近いリアルな視点でクラミジア感染症を解説していきます。

 


男性は排尿時の違和感
女性はおりものの異常がある場合、
原因の一つとしてクラミジア感染症が考えられます。


クラミジア感染症は性感染症(STI)の中で最も感染者数が多く、
特に若い成人に見られる病気です。
クラミジアの基本情報と対処法について解説します。

 


クラミジア感染症とは

一般的にクラミジアは、性的接触によって人から人へと感染します。
感染経路としては、膣性交だけでなく、肛門性交、オーラルセックスからも感染のリスクがあります。
コンドームを使わない場合の性行為では50%程度の確率で感染します。


に感染することがありますので、
オーラスセックス後に喉の違和感がある場合はクラミジア感染症が考えられるでしょう。

 

また、感染者の生殖器から出る分泌物に触れた手で目を触ることによって、
にクラミジアが感染することもあります。

排尿時違和感、おりものの異常と一緒に目が赤くなるといった症状が出た場合は
クラミジア感染症の可能性が高いと考えられます。

 

 


症状の現れ方

クラミジア感染症の厄介な点は
感染しても、特に女性では初期段階では症状がほとんど現れないことです。

症状は男女によって異なりますが、共通する症状としては排尿時の痛みや違和感です。
この症状は圧倒的に男性に多く、女性では比較的まれです。


男性の場合は下着がいつの間にか汚れていたり、
尿道から透明もしくはやや白っぽい分泌物が出ることがあります。

女性の場合は、おりものが多くなる、においがいつもと違う、色が違う(黄色や緑色)
といった症状が出てきます。

下腹部の違和感や痛みの症状が出ることもあります。

 

 


診断と治療

診断は男性であれば尿検査
女性であれば膣から拭き取り検体による検査で行われます。

男女ともに喉の感染はうがい液を採取して検査します。


治療は抗生物質(アジスロマイシン)によって効果的に行われ、完治が期待できます。
ただし、アジスロマイシンが効かない場合もありますので、その時は別の抗生物質に変更して治療します。

治療で重要なことは感染が確認された場合、
パートナーも検査を受け、必要であれば治療を受けることです。

パートナーが感染したままでは、自分が完治しても再度性行為をすることで
再びクラミジア感染症になることが考えられます。

またクラミジア感染を治療しないままでいると、男女ともに不妊症のリスクが高くなります。

 

 


予防策

クラミジア感染を防ぐ最も有効な方法は、安全な性行為を行うことです。
コンドームの正しい使用が感染リスクを大幅に減少させます。

また、定期的な性感染症の検査を受けることも予防につながります。

 

 


おまけ

一緒のお風呂に入ると相手が感染しないか心配される方がいらっしゃいますが、
そのようなことはありません。
それゆえ、温泉に行ったため感染したということはないと考えてよいでしょう。


最近は女性が何の症状もなく、
妊娠を契機に検査したところクラミジアと診断されることがあります。
パートナーの男性にも症状がなく、検査するとクラミジアと診断されるケース増えています。


症状だけでは判断できないケースが増えていますので、
心配がある場合は検査することをおすすめします。

問診では感染経路を知るために、性風俗の利用があるかお聞きします。
感染の機会が性風俗でなければ、パートナーからの感染が考えられ、
パートナーの検査や治療をアドバイスすることができるからです。


上記のようにパートナーと一緒に治療することが大切ですので、
パートナーと一緒に当院でまずは検査を受けてみてください。

 

2024.05.06更新

多くのクラミジア感染症を診察してきた経験を生かして、
より現場に近いリアルな視点でクラミジア感染症を解説していきます。

 


男性は排尿時の違和感
女性はおりものの異常がある場合、
原因の一つとしてクラミジア感染症が考えられます。


クラミジア感染症は性感染症(STI)の中で最も感染者数が多く、
特に若い成人に見られる病気です。
クラミジアの基本情報と対処法について解説します。

 


クラミジア感染症とは

一般的にクラミジアは、性的接触によって人から人へと感染します。
感染経路としては、膣性交だけでなく、肛門性交、オーラルセックスからも感染のリスクがあります。
コンドームを使わない場合の性行為では50%程度の確率で感染します。


に感染することがありますので、
オーラスセックス後に喉の違和感がある場合はクラミジア感染症が考えられるでしょう。

 

また、感染者の生殖器から出る分泌物に触れた手で目を触ることによって、
にクラミジアが感染することもあります。

排尿時違和感、おりものの異常と一緒に目が赤くなるといった症状が出た場合は
クラミジア感染症の可能性が高いと考えられます。

 

 


症状の現れ方

クラミジア感染症の厄介な点は
感染しても、特に女性では初期段階では症状がほとんど現れないことです。

症状は男女によって異なりますが、共通する症状としては排尿時の痛みや違和感です。
この症状は圧倒的に男性に多く、女性では比較的まれです。


男性の場合は下着がいつの間にか汚れていたり、
尿道から透明もしくはやや白っぽい分泌物が出ることがあります。

女性の場合は、おりものが多くなる、においがいつもと違う、色が違う(黄色や緑色)
といった症状が出てきます。

下腹部の違和感や痛みの症状が出ることもあります。

 

 


診断と治療

診断は男性であれば尿検査
女性であれば膣から拭き取り検体による検査で行われます。

男女ともに喉の感染はうがい液を採取して検査します。


治療は抗生物質(アジスロマイシン)によって効果的に行われ、完治が期待できます。
ただし、アジスロマイシンが効かない場合もありますので、その時は別の抗生物質に変更して治療します。

治療で重要なことは感染が確認された場合、
パートナーも検査を受け、必要であれば治療を受けることです。

パートナーが感染したままでは、自分が完治しても再度性行為をすることで
再びクラミジア感染症になることが考えられます。

またクラミジア感染を治療しないままでいると、男女ともに不妊症のリスクが高くなります。

 

 


予防策

クラミジア感染を防ぐ最も有効な方法は、安全な性行為を行うことです。
コンドームの正しい使用が感染リスクを大幅に減少させます。

また、定期的な性感染症の検査を受けることも予防につながります。

 

 


おまけ

一緒のお風呂に入ると相手が感染しないか心配される方がいらっしゃいますが、
そのようなことはありません。
それゆえ、温泉に行ったため感染したということはないと考えてよいでしょう。


最近は女性が何の症状もなく、
妊娠を契機に検査したところクラミジアと診断されることがあります。
パートナーの男性にも症状がなく、検査するとクラミジアと診断されるケース増えています。


症状だけでは判断できないケースが増えていますので、
心配がある場合は検査することをおすすめします。

問診では感染経路を知るために、性風俗の利用があるかお聞きします。
感染の機会が性風俗でなければ、パートナーからの感染が考えられ、
パートナーの検査や治療をアドバイスすることができるからです。


上記のようにパートナーと一緒に治療することが大切ですので、
パートナーと一緒に当院でまずは検査を受けてみてください。

 

お気軽にご相談ください 泌尿器科 / 内科 / 腎臓内科 柏駅東口より徒歩3分 土曜診療あり

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