梅毒/院長 岸本幸一
2022.10.11更新
こんにちは。院長の岸本です。
今回は梅毒についてお話ししたいと思います。
2022年上半期の時点で
梅毒と診断された人が、すでに5000人を超えたそうです。
(7月12日、国立感染症研究所公表の2022年度上半期梅毒感染症調査結果による)
最多を記録した2021年(7983人)の1.6倍のペースで増加をしています。
すごいハイペースですね。
当院でも今年に入り、梅毒の患者さんが増えていることを実感しています。
梅毒の診断をしますと、7日以内に保健所へ届出することが決められています。
当院では2018年5月から2022年7月までの約4年間で
91例の治療をいたしました。
2018年5月から2022年7月まで梅毒の91例統計
男性76例 女性15例
そのうち、半数以上が、第1期と呼ばれる初期感染の方でした。
梅毒は初期から第4期まで段階的に進行していきます。
たいていの人は、第3期まで症状が悪化してしまう前に、受診治療を行っています。
今回は初期の第1期の症状と第2期の症状をお話ししたいと思いますので、
ぜひ、この症状のうちに受診してください。
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よくわかる性病/性感染症と治療法(かしわ腎泌尿器クリニック監修)
第1期症状
感染してから約3週間~3ヵ月の間に起こります。
簡単に言うと、性器・くち・肛門にしこりができます。
第1期梅毒の症状は痛みや痒みなどの自覚症状がないため、
梅毒に感染していると知らないまま、
性的接触によって他人に感染させてしまうケースもあります。
約1ヶ月で初期硬結も硬性下疳も自然に消えてしまうため、
症状が出る部位によっては感染に気付きにくくなります。
第2期症状
第1期梅毒の症状がおさまって3ヵ月以上経った頃にあらわれます。
頭痛や発熱・だるさ・のどの痛み・脱毛(梅毒性脱毛)・湿疹(梅毒性バラ疹)、
小さく平たいイボ(扁平コンジローマ)、口内炎のような粘膜の白疹(梅毒性粘膜疹)
といった様々な症状が全身に現れます。
半年程度で症状がなくなりますが、感染力は残っています。
梅毒は血液検査と細菌培養にて診断するため、
当院ではオンライン診療は行わず、必ず来院検査をしていただきます。
そして内服治療を開始します。
一定期間治療したのち、血液検査で治癒判定を行います。
当院では治癒判定まで平均2.17か月の治療期間がありました。
治療薬の状況 平均(2.17か月)
梅毒は怖い印象がある方も多いと思いますが、
適切な治療さえすれば、完全に治せる病気です。
気になる症状がありましたら、早めに受診していただき、
しっかり治していきましょう。
梅毒、性病、という内容故、
普通の病気よりも不安だったり、恥ずかしさが勝ってしまったりで
なかなか受診する勇気が出ないかもしれません。
偏見をもって見られてしまったりもしかねないですものね。
でも、
一切偏見無く、一つの病気として向き合う事が出来るのが医者です。
看護師もスタッフも同様です。
どうぞ安心してご相談ください。
一緒に治していきましょう。