50歳以上の男性でもっとも多い前立腺がん/三木淳
2022.06.27更新
みなさん、前立腺がんが増えていることをご存じでしょうか。
現在、日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんでなくなると言われています。
そのなかで、男性のがんである、前立腺がんが急増しています。
日本において1年間に新たに前立腺がんと診断された患者さんの数(罹患数といいます)
において、
1980年は3,944人でしたが、30年後の2010年には64,934人と16倍以上に増加しています 1) 。
2018年では、日本人男性がかかるがんの第1位となり、
約9人に1人の男性が前立腺がんにかかるとされています 1) 。
とくに50歳をこえると、罹患率は急激に高まるため、
50歳以上の男性には注意をしていただきたい病気です。
前立腺がんになる原因は分かっていませんが、もともと欧米では男性に最も多いがんとさ
れ、
日本人が肉やチーズなどの動物性脂肪の摂取が増えたことなど生活習慣の変化が要因
の一つとされています。
前立腺がんは、ゆっくり進行するタイプのがんとして知られており、
がんがみつかった状態に応じて、さまざまな治療法を選択することができます。
ただし、どのようながんでも早期発見、早期治療が有用であることには変わりなく、
前立腺がんでも定期的な前立腺検診をうけることが重要です。
特に50歳以上の男性では、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA採血を受けることが大切
です。
次回は、前立腺検診であるPSA検査について解説します。
引用
1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)
医師 三木淳