医師コラム

2025.01.16更新

 

2025年が始まりました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 


先月、性感染症学会に参加してきました。

その中で、梅毒の母子感染についての発表を聞き、

妊婦健診の必要性を感じましたので、コラムにしてみようと思います。

 


最近、梅毒が増えていると聞いたことありますか?

特に、妊婦が梅毒にかかると、その感染が赤ちゃんにも伝わってしまうことがあります。

これを「先天梅毒」と呼んでいます。

 

先天梅毒にかかると、赤ちゃんに深刻な健康問題が起きることがあります。

例えば、

流産や早産

生まれてからの障害

など、赤ちゃんの命に関わることもあります。

 


今まで日本では毎年20例程度の報告がありましたが、

2023年には39例と先天梅毒の症例が増えました。

 


大阪市立総合医療センター感染症内科と大阪健康安全基盤研究所微生物部で行われた研究では、

先天梅毒を持って生まれた赤ちゃんの体内で、

梅毒を引き起こす細菌(Treponema pallidum)がどのように広がるかを調べました。

 

その結果、

死産した赤ちゃんや生まれたばかりの赤ちゃんの臓器から、

ほとんど全ての臓器で梅毒菌が見つかったことがわかりました。

 

さらに、血液の中からも梅毒菌が見つかることがありました。

これは、梅毒が胎盤を通じて血液に乗り、体中に広がっていることを意味しています。

 


この研究結果から、

妊婦が梅毒にかかると、その菌が赤ちゃんの体に広がり、

色々な臓器に影響を与える可能性があることがわかりました。

 


でも、良いニュースもあります。

梅毒は早期に見つけて治療すれば、赤ちゃんに感染させるのを防ぐことができます

 

 

だからこそ、妊婦さんには定期的に妊婦健診を受けてもらいたいと思います。

自分と そして

何よりも大切な赤ちゃんの命を守るために。

 

赤ちゃんを守る為

 

 

 

 

2024.08.18更新

泌尿器科では、「おしっこの調子が悪い」という患者さんが沢山いらっしゃいます。
ただ、「おしっこの調子が悪い」という状態は、
患者さんはもちろん、我々医師にとっても、詳しく把握するのは難しいことです。


そこで当院では、患者さんの排尿状態をより正確に評価するために、
ウロフロメトリー(尿流量測定検査)」という検査を導入しています。
この検査は、検査用のトイレに排尿するだけで行うことができます。

検査機器が、
排尿するまでの時間
排尿の勢い(一秒あたり、何ミリLの尿がでているか)、
排尿にかかった時間
尿量などを測定します。


検査結果をみることで、「おしっこの調子が悪い」状態→
「尿がでるまでに時間がかかる」、「尿の勢いが悪い」、
「排尿に時間がかかる」、「排尿が途切れる」などの詳細がわかり、
これらを客観的なデータとして取得できます。

その結果、くわしい診断や治療に役立てることができます。

実際には、男性の前立腺肥大症や女性の神経因性膀胱の患者さんに用います。

 

普段のトイレと同じように排尿するだけですので、
安心してお使い頂けると思います。
周りに気をつかう必要もありませんし、もちろん、痛みを伴う事もありません。


検査結果は、その場で確認でき、
薬の選択や治療効果の判定など、診療に反映させることができます。

 

使用方法↓

1.測定開始ボタンを押す

1

 

 

2.排尿する

2

 

 

3.測定終了ボタンを押す

3

 

 

 

排尿に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

2024.07.17更新


こんにちは。蒸し暑い日が続いています。


今回は、医師としての経験から、
陰部に異常を感じた時に早期受診することの重要性をお伝えしたいと思います。

 

今年の話です。
20代の男性が陰嚢(いんのう、いわゆる玉袋)の脹れを訴えて、
当クリニックに来院しました。

最初は精巣上体炎や性病などの良性の病気を疑いましたが、
触診を行ったところ明らかに”しこり”が見られました。

そこでエコーを施行したところ、精巣腫瘍の可能性が高いと判断しました。


精巣腫瘍は、20代男性の悪性腫瘍・癌では最も多い病気です。
病気の進行が早いことから、手術はなるべく診断して直ぐに行うことが鉄則です。

 

2181

 

 

当院においては、2018年以降初診で20名(19歳~69歳)の方の精巣腫瘍を発見し、
当日もしくは翌日には慈恵医大柏病院を紹介して、
さらに精査後、手術を行っています。

手術後の病理結果では、9名の方がセミノーマ、
そのほかでは胎児性癌や混合性胚細胞腫瘍などでした。

また、他院から48名の方が当院へ紹介を受け、
再発や転居の方を除いて、現在も経過観察を行っています。

 


話は戻りますが、私はすぐに追加でCT検査を行い、転移のないことを確認した後、
当院の非常勤医師である大学病院の泌尿器科医に連絡を取ると同時に、
その日の午後には大学病院に行くように患者さんに説明しました。

大学病院では事前に連絡を受けていたため、再度細かな診察が行われ、
その日の夕方には手術が実施されました。

術後の経過も良好で、ステージ1の精巣腫瘍だったため、無事に完治されました。

 


以上のことから、お伝えしたいことは3点です。

早期受診の重要性:
異常を感じた際は、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。
当院では毎年精巣腫瘍の患者さんを診断しています。
早期発見により、治療の選択肢が広がり、予後が改善する可能性が高まります。


精密検査の必要性:
症状や触診で異常が見つかった場合は、
エコーやCTなどの精密検査を迅速に行うことで、正確な診断が可能となります。
特に、悪性腫瘍では、これらの検査が不可欠です。


医療機関間の連携:
地域のクリニックと大病院の間でのスムーズな連携が、患者さんの迅速な治療を可能にします。
この体制が整っていることで、患者さんの負担を最小限に抑え、
治療の成功率を高めることができます。

私たちのクリニックでは、悪性腫瘍が発見された場合、
迅速に治療が進められるよう、各病院と密に連携を取っています。
異常を感じた際には、早期に医療機関を受診することをお勧めします。

 


皆さんの健康を守るために、医療機関は協力し合い、全力でサポートします。

 

 

 

 

 

2024.06.28更新

クラミジア感染症に続き、淋菌感染症
より現場に近いリアルな視点で解説していきます。

 

男性は膿の排出や強い排尿時痛
女性はおりものの異常や下腹部の痛みがある場合、
原因の一つとして淋菌感染症が考えられます。


クラミジア感染症のコラムを読んでいただいた方はお気づきだと思いますが、
症状が似ている部分があります。

男性の排尿時痛や女性のおりものの異常はどちらの感染症でも認めるため、
症状だけで判断するのは困難となります。

しかしクラミジアと違いを認める部分もあります。
基本情報や対処法とともに解説していきます。

 

 

淋菌感染症とは


淋菌感染症は、性的接触によって人から人へと感染します。

感染経路としては、膣性交だけでなく、
肛門性交、オーラルセックスからも感染のリスクがあります。
コンドームを使わない場合は1回の性行為で30~50%の確率で感染するといわれています。


喉に感染することや生殖器から出る分泌物に触れた手で目を触ることによって、
目に淋菌が感染することはクラミジアと同様です。

 

男性の性感染症の45%,女性の性感染症の63%がクラミジア感染症,
男性の性感染症の30%,女性の7%が淋菌感染症であったという報告があります。

感染数は男女ともにクラミジアと比べると淋菌は少なくなります。
特に女性で感染数の差は大きくなります。

 

 

症状の現れ方

淋菌感染症はクラミジアと同じ様に感染しても、
女性では初期段階では症状がほとんど現れません。

男性は初期の段階から膿の排出や強い排尿時痛を認めるため、
症状が軽度であるクラミジアとの違いになります。

 

女性の場合は、おりものが多くなる、においがいつもと違うといった症状が出てきます。
おりものの色がクラミジアより黄色や黄緑色になりやすく、下腹部の痛みが多いところが異なる点です。


ただし、男女ともに淋菌感染症であっても症状が軽度であったり、自覚しないことがありますので、
必ず検査でチェックするようにしてください。

 

 

診断と治療

診断は
男性であれば尿検査
女性であれば膣から拭き取り検体による検査で行われます。

男女ともに喉の感染はうがい液を採取して検査します。

 

治療は点滴(セフトリアキソン)や筋肉注射(スペクチノマイシン)によって
ほぼ100%完治します。

 


クラミジア感染症と同様に治療で重要なことは
感染が確認された場合、パートナーも検査を受け、必要であれば治療を受けることです。

パートナーが感染したままでは、自分が完治しても再度性行為をすることで感染することが考えられます。

淋菌感染を治療しないままでいると、男女ともに不妊症のリスクが高くなります。

 

 

予防策

淋菌感染を防ぐ最も有効な方法は、安全な性行為を行うことです。
コンドームの正しい使用が感染リスクを大幅に減少させます。
また、定期的な性感染症の検査を受けることも予防につながります。

 

 

おまけ

男性の淋菌感染症では膿が出るということが、クラミジアと異なる点になりますので、
問診では膿の排出についてお聞きします。

ただし、「膿」についての理解が医療者と患者さんでは少し違う場合があります。

医療者は膿をどろっとした黄白色のものとして考えます。
もちろん我々と同じ膿を想定している患者さんも多いですが、
下着に白いものが付着していたから膿が出ていたと考える患者さんもいらっしゃいます。

クラミジア感染症の場合は透明なさらさらした液(漿液性)が出てきて、
それが下着に付着して乾燥すると下着に白い付着物がついたように見えます。

この白い付着物を膿と認識している患者さんが少なからず見受けられます。

医療者側も間違えないがないように、
どろっとした黄色い膿が尿道から直接出ているかをお聞きするようにしています。

みなさんも下着についた白い付着物だけを見て「膿」と判断しないように注意してください。

 

 


最近ではクラミジアと淋菌を同時に感染する方が増えています。
問診や症状だけで決めることは難しいため、必ず検査を受けるようにしてください。

 

 

2024.05.14更新

女性だけでなく男性にも更年期があるのをご存じでしょうか?
原因はいずれもホルモン低下です。

本日は男性更年期(LOH症候群)について、
当院のデータ報告と共に、診断や治療についてお話ししようと思います。

男性ホルモンは40代から50代になると低下してきますが、女性より個人差が大きいです。

 


1.男性更年期障害の症状は?

体力的:筋力の衰えや体のだるさ
体感的:ほてりや冷え、発汗、頭痛、耳鳴り
精神的:不眠やうつ症状、不安、集中力低下、いらいら、記憶力低下
性的:性欲が減る、朝立ちの回数減少、勃起不全、早漏


競争心が強い人、神経質、几帳面、まじめ、せっかちな人が多いと言われています。

仕事や家庭の不安やストレス、体調の変化等も男性ホルモンの分泌を阻害する原因です。

 


2.男性更年期の診断は?

男性更年期障害は、採血で男性ホルモン(アンドロゲン)のテストステロン値などを測定し、
症状等と合わせて診断します。

最近、当院にて男性更年期を疑って遊離テストステロンを測定した184例の平均年齢は51.8歳でした。

上記のうち124例について男性更年期と診断し、薬物治療がおこなわれました。

当院で薬物療法を行った治療群の遊離テストステロンの平均値は7.8pg/mlでした。
(正常値のボーダーラインは8.5~11.8pg/mLです。8.5pg/mL以下は男性ホルモンが低めと判断します。)

 

ちなみに
以下は男性更年期ではなく、別の診療科を紹介した例です。

耳鼻科      めまい 1例
精神科      うつ病 1例
心療内科    うつ病  1例
糖尿病         1例
甲状腺機能低下     1例
甲状腺中毒       1例
脳神経内科       1例

 

 


3.男性更年期の治療や対策は?

治療や対策として

生活習慣の改善
ホルモン補充療法(エナルモンデポー注射)
漢方薬やED治療薬(バイアグラ・シアリス)の服用
などがあります。

 

〇生活改善

肥満や高血圧、糖尿病、喫煙の改善に努めます。
内臓脂肪の増加は男性ホルモンの低下と関係があると言われていますので、
生活の改善も有効です。

 


〇ホルモン補充療法

テストステロンが不足しているので、注射して補充してあげると非常に効果的です。

ホルモン補充療法は、血液検査や必要時超音波検査を行い、
前立腺に病気が無いこと等を確認した後、
2~4週間に1回の割合でホルモン補充療法(エナルモンデポー注射)を行っています。


なお、当院でのエナルモンデポー治療群の遊離テストステロン平均値は6.3 pg/mlでした。
テストステロンの内服は効果がありません。(全身に作用する前に肝臓で全て分解されるため)
注射して直接血中に投与するか、経皮吸収させるかとなります。

ただテストステロンの補充療法は副作用が起こることも知られております。
(動脈硬化の進行や前立腺肥大症、前立腺がんの助長や進行、AGAの急激な悪化など)

医師の継続的な診察のもと、治療を行うことが望ましいです。

 


〇ED対策

バイアグラ、シアリスの服用をお勧めしております。
勃起機能のみならず、早朝勃起の回復がQOLを改善させ、
また血中テストステロン値が上昇することが知られております。

 


〇漢方療法

補中益気湯などの漢方製剤も男性更年期障害には有効との報告があります。

 


〇男性ホルモン補充クリーム

男性ホルモン軟膏「グローミン」というものが、
第一類医薬品の取り扱いのある薬局で購入することができます。
1日2回陰嚢に塗布します。本来は医師の診察をうけながら補充することが望ましいです。

 


〇食事で行う対策

亜鉛ビタミンBの摂取が有効であることが判明しています。
(亜鉛は生ガキやレバー
ビタミンB群は水溶性のビタミンで8種類あり、赤身の魚や豚ヒレ、レバー、あさりや納豆に含まれています)

サプリメントも効率よく摂取できる対策だと思われます。

 


〇うつ症状

仕事や生活に影響のある場合は、心療内科と併用で治療を行う必要があります。

 

 

 


以上、男性更年期について、データ報告と共にお話ししてきました。

 

 

40代、50代は、自分ではどうしようもない体調の変化も起きやすく、
そんな中でも仕事や家庭で頑張っている人もいると思います。

男性更年期は個人差も大きく、人と比較が出来ない部分もあります。 

更年期で病院へ行くというのも気が引けてしまう、、と思われる方も多いでしょうし、
不調の原因は歳だから、、と更年期と結びつかない方も、きっと多いのではと思います。

 

当院では適切な検査と診断をしてから、治療を行っています。

気になる際は是非一度、受診をしてみてください。

 

2024.05.06更新

多くのクラミジア感染症を診察してきた経験を生かして、
より現場に近いリアルな視点でクラミジア感染症を解説していきます。

 


男性は排尿時の違和感
女性はおりものの異常がある場合、
原因の一つとしてクラミジア感染症が考えられます。


クラミジア感染症は性感染症(STI)の中で最も感染者数が多く、
特に若い成人に見られる病気です。
クラミジアの基本情報と対処法について解説します。

 


クラミジア感染症とは

一般的にクラミジアは、性的接触によって人から人へと感染します。
感染経路としては、膣性交だけでなく、肛門性交、オーラルセックスからも感染のリスクがあります。
コンドームを使わない場合の性行為では50%程度の確率で感染します。


に感染することがありますので、
オーラスセックス後に喉の違和感がある場合はクラミジア感染症が考えられるでしょう。

 

また、感染者の生殖器から出る分泌物に触れた手で目を触ることによって、
にクラミジアが感染することもあります。

排尿時違和感、おりものの異常と一緒に目が赤くなるといった症状が出た場合は
クラミジア感染症の可能性が高いと考えられます。

 

 


症状の現れ方

クラミジア感染症の厄介な点は
感染しても、特に女性では初期段階では症状がほとんど現れないことです。

症状は男女によって異なりますが、共通する症状としては排尿時の痛みや違和感です。
この症状は圧倒的に男性に多く、女性では比較的まれです。


男性の場合は下着がいつの間にか汚れていたり、
尿道から透明もしくはやや白っぽい分泌物が出ることがあります。

女性の場合は、おりものが多くなる、においがいつもと違う、色が違う(黄色や緑色)
といった症状が出てきます。

下腹部の違和感や痛みの症状が出ることもあります。

 

 


診断と治療

診断は男性であれば尿検査
女性であれば膣から拭き取り検体による検査で行われます。

男女ともに喉の感染はうがい液を採取して検査します。


治療は抗生物質(アジスロマイシン)によって効果的に行われ、完治が期待できます。
ただし、アジスロマイシンが効かない場合もありますので、その時は別の抗生物質に変更して治療します。

治療で重要なことは感染が確認された場合、
パートナーも検査を受け、必要であれば治療を受けることです。

パートナーが感染したままでは、自分が完治しても再度性行為をすることで
再びクラミジア感染症になることが考えられます。

またクラミジア感染を治療しないままでいると、男女ともに不妊症のリスクが高くなります。

 

 


予防策

クラミジア感染を防ぐ最も有効な方法は、安全な性行為を行うことです。
コンドームの正しい使用が感染リスクを大幅に減少させます。

また、定期的な性感染症の検査を受けることも予防につながります。

 

 


おまけ

一緒のお風呂に入ると相手が感染しないか心配される方がいらっしゃいますが、
そのようなことはありません。
それゆえ、温泉に行ったため感染したということはないと考えてよいでしょう。


最近は女性が何の症状もなく、
妊娠を契機に検査したところクラミジアと診断されることがあります。
パートナーの男性にも症状がなく、検査するとクラミジアと診断されるケース増えています。


症状だけでは判断できないケースが増えていますので、
心配がある場合は検査することをおすすめします。

問診では感染経路を知るために、性風俗の利用があるかお聞きします。
感染の機会が性風俗でなければ、パートナーからの感染が考えられ、
パートナーの検査や治療をアドバイスすることができるからです。


上記のようにパートナーと一緒に治療することが大切ですので、
パートナーと一緒に当院でまずは検査を受けてみてください。

 

2024.04.03更新


最近、特定のサプリメントの摂取が
腎機能障害を引き起こす可能性があるというニュースが話題になっています。

 

腎臓で作られる尿は健康のバロメータであり、
尿が泡立つ現象」は、時には健康上の問題を示していることもあります。

 

 

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ここでは、その原因となる可能性のあるいくつかの事項を、
わかりやすく説明します。

 

 

 

正常:多くの場合、尿を排出する際に強く力を入れ、
尿の流れが速いときに、水の流れや空気の混入によるもので、
ごく自然な現象で、心配する必要はありません。

 


脱水:身体の水分が不足している状態の時、
尿はより濃縮され、泡立ちやすくなります。

これは一般的に、水分を十分に摂取していない時に起こります。

実際、朝一番の尿、特に夏場は最も尿が濃縮されているため、
色も濃く、泡立ちやすい傾向があります。

 


蛋白尿:尿中にタンパク質が多く含まれている状態を蛋白尿といい、
腎臓が正しく機能していない可能性があります。
尿が泡立つ一因となり得ます。

このような状態では、腎臓が血液をきれいにする役割を正しく果たせなくなり、
尿が泡立つ一因となり得ます。

稀に、過剰なたんぱく質や特定のハーブ、
重金属などの成分が含まれるサプリメントがリスクを高めることが指摘されています。

 

 

その他:尿路感染症や尿路結石、糖尿病など、
尿に異常がある場合にも泡立つことがあります。
これらの状態では、泡立ち以外にも痛みや異臭などの症状が見られることがあります。

 

 

尿が時々泡立つことは普通に起こり得る現象ですが、

泡立ちが持続する
または他の症状が伴う場合には、
医療専門家に相談することが重要です。

適切な診断と治療が必要な場合があります。

 

日常生活で十分な水分を摂取し、バランスの良い食生活を心がけることが、
健康を維持する上で重要です。

 

2024.01.23更新

みなさん、こんにちは。

今回は、昨年より当院で実施している
日帰りの膀胱がん手術 について、お話しします。

 

 


膀胱がんは、泌尿器がんの中で、前立腺がんに次いで多く、
尿に血が混じる、
肉眼的血尿
という症状で見つかることが多いです。

他のがん同様、早く見つけて適切な治療を行えば、高率に治る病気です。

 


膀胱がんの治療の中心は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)という手術で、
がんの確定診断と深さ(深達度)を判断します。

 

 

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この手術は
硬性鏡という真っすぐで比較的太く、硬い内視鏡を用いること、
電気メスを使用した切除を行うことなど から、
通常は全身麻酔や脊椎麻酔(下半身麻酔)で手術を行います。
このため、約1週間の入院となることが多いです。

 


TUR-BTで診断した、正確ながんの深さである深達度に応じて、
その後の治療が異なります。

 

約2割は筋層浸潤がある深いがんで、
膀胱を全部摘出する膀胱全摘という非常に大きな手術が必要になります。

 

約8割は非筋層浸潤がんといって、
基本的には膀胱を取らずに温存することが可能です。

ただし、こうした非筋層浸潤がんであっても、
約50%で術後再発を起こすという再発が多いという特徴があります。

 

 

実際、患者さんによっては、
TUR-BTを5回から10回も行うという場合もあります。
したがって、こうした患者さんは1週間の入院と手術を再度行わないといけません。

 

 


かしわ腎泌尿器クリニックには、慈恵医大で入院してTUR-BT手術を行ったのち、
術後の定期検査目的で通院している患者さんが沢山いらっしゃいます。

こうした方の中には、定期検査の外来膀胱鏡で、再発の膀胱がんが見つかる方も少なくありません。
こうした再発のがんは非常に小さいうえ、患者さんも高齢であることが多いため、
より負担の少ない治療ができないかということで、
昨年より日帰りでのTUR-BT手術を開始しました。

 


具体的には、

柔らかい膀胱鏡を用い、麻酔ゼリーを十分に行うこと、
特殊な切除器具を用いること、 で対応します。

 

これまでに約20例の手術を安全に実施できており、
今年の第37回日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会でも、
慈恵医大柏病院と共同で、その有用性と安全性を発表しています。


実際、過去に下半身麻酔が大変であった患者さんなどからは、
身体的負担も少なく、とても満足できたという話も複数伺っています。

 


この日帰りTUR-BT手術の適応は、
がんの大きさ、部位、個数など、
いろいろな条件で決定するので、すべての患者さんに当てはまるものではありませんが、
再発の多い膀胱がんでは非常に有用な治療だと考えています。

 

当院での検査や治療をご希望の場合は、
まずは受診でご相談していただければと思います。

 

 

 

2023.12.21更新


こんにちは。
コラムの更新が久々になってしまいました。

この間、クリニックではいろいろな前進がありました。


大きく3点


1 在宅診療の施設基準が変更になりました。

2 院内のデータをまとめて研究発表するため、倫理委員会を設立しました。

3 倫理委員会で承認された研究に対して、学会で発表しました。


これらに関して、それぞれお話しさせていただきたいと思います。

 

 


〇当院は、在宅療養が必要な方への医療提供について、
 一定の基準をクリアし、
 また実績が認められ
 2023年11月より『機能強化型(連携型)在宅療養支援診療所』 として施設認可を受けました。
 
 患者様・ご家族様に対して、今まで以上に
 より丁寧に、寄り添った在宅診療を行ってまいります。

 


〇当院は、独立・公正な立場にある倫理委員会を設置しました。
 倫理委員会を設置することで、クリニックから独立して、
 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針等に基づく研究の審査業務を行い、
 以下の点で審議します。
 
 :提出された臨床研究計画で目的とした成果が得られるか(科学的合理性)
 :患者さんへ、参加することでの負担を明確に述べているか
 :患者さんの受ける治療などのリスクと効果などの利益のバランスの評価が行われているか
 :患者さんへの臨床研究の説明同意文書が適格に作成されているか
 :患者さんの自由意志による同意を得る方法、ならびに、
 :同意が得られなかった場合の患者さんの保護について書かれているか
 :個人情報等の保護の方法が書かれているか
 :提出された臨床研究の質(モニタリングや監査の方法)及び透明性の確保(利益相反など)が行われているか
 
 倫理委員会では研究が開始された後も、
 臨床研究が適切に遂行されているかや、有害事象などの発生状況を確認し、
 場合によっては臨床研究の中断を施設の長に意見する事ができます。

 


〇倫理委員会で審議し、2件の研究内容が承認されました。
 日本泌尿器内視鏡学会(2023年11月)と、日本性感染症学会(2023年12月)にて、発表を行いました。
 詳細は後日ご報告させていただきます。

 

 

文字にすると とんでもなく難しそうですね、、、


私たちは、日々外来診療を行いつつ、
通院困難となった方にはお家に訪問して診療をし、
またアカデミックな視点を持って研究発表をし、

患者様、ご家族様の為に、
今後も精力的に活動を続けてまいります。

 

2023.10.02更新


2023年4月から訪問診療を開始して、半年が過ぎました。

地域の方の多大なる協力のもと、
順調に訪問診療を行っています。

現在は内科疾患、認知症、緩和医療の方を主に
訪問診療を行っています。


まだ若干枠があります。
ご希望がある患者さん、地域の医療関係の方、
まずはお気軽にお問合せご相談頂ければと思います。


腎・泌尿器以外の疾患も積極的に診察しておりますので、どうぞご安心ください。


お問合わせご相談 04-7137-9123

 

 

訪問診療とは

訪問診療のことについてご質問を受けることが多いので、
コラムで訪問診療について情報発信をしていこうと思います。

 

まず訪問診療とは何か

訪問診療とは通院が困難な患者さんのもとへ、
定期的に診療へ伺い、計画的に体調管理を行うものです。

似たものとして往診という言葉があります。
往診は、今日は体調が悪いという患者さん、あるいはご家族の要請に応じて行う、
臨時の診察を指します。


訪問診療と、臨時に行う往診を組み合わせることで、

定期的に訪問診療を行う→患者さんの状態を把握している
具合の悪い時に往診を行う→普段との違いを見分けることができる。

と、より患者さんをサポート出来る事になります。

 

 

訪問診療の決まり

訪問診療には厚労省が定めた決まりがあります。
保険診療のため、いくつかのルールに従って行われます。

基本的には
訪問診療(定期的な診療)と 往診(臨時の診療)を組み合わせたサービス となります。


・最低、月1回の定期的な訪問診療
・24時間365日患者さんからの連絡を受け対応すること

が義務付けられています。


標準としては月2回の定期的な訪問診療を行いますが、
状態によっては月に4回以上診療することもあります。

 

上記のことを同意書にサインしていただき、
お互い了承した上で開始することが必要となります。

 

このほか、ケアマネジャー、訪問看護師との連携や、
場合によっては点滴、投薬などを医師の指示のもとに行います。

 

 

訪問診療はオーダーメイド

訪問診療は上記のようにいくつかの決まりはあるものの、
ほとんどは患者さんのニーズに合わせて、医療者が相談・協力して行っていきます。


訪問診療の大きな利点は
日常生活や家庭状況を直接見ることができる点です。
通院ではこのようなことはできません。

これにより、患者さんのニーズや生活スタイルに合わせた
アドバイスや治療が可能となります。


患者さんの生活環境を把握することで、より適切なケアプランを立てることができ、
健康状態の改善や予防が効果的になります。

 

訪問診療で定期的に体調をチェックしながら、
6か月1回だけ、かかりつけの病院でCTなどの検査を行ったり、
必要であれば検査入院をしてくることもあります。


中には病院が苦手、待ち時間が長くて我慢できない、
という患者さんもいらっしゃいますので、
その場合は訪問診療で必要な検査を行っていきます。

 

患者さんの状態、ご家族のサポート、医療保険や介護保険の負担等々
千差万別です。
まずは遠慮せずご希望をおっしゃってください。
そうすることで、お互いを知り、
より一層良好な医療を提供することができると思います。

 


皆さまが少しでも安心して穏やかな日々を過ごせるよう
当院でお手伝いができれば嬉しく思います。

ご連絡をお待ちしております。

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