医師コラム

2024.07.17更新


こんにちは。蒸し暑い日が続いています。


今回は、医師としての経験から、
陰部に異常を感じた時に早期受診することの重要性をお伝えしたいと思います。

 

今年の話です。
20代の男性が陰嚢(いんのう、いわゆる玉袋)の脹れを訴えて、
当クリニックに来院しました。

最初は精巣上体炎や性病などの良性の病気を疑いましたが、
触診を行ったところ明らかに”しこり”が見られました。

そこでエコーを施行したところ、精巣腫瘍の可能性が高いと判断しました。


精巣腫瘍は、20代男性の悪性腫瘍・癌では最も多い病気です。
病気の進行が早いことから、手術はなるべく診断して直ぐに行うことが鉄則です。

 

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当院においては、2018年以降初診で20名(19歳~69歳)の方の精巣腫瘍を発見し、
当日もしくは翌日には慈恵医大柏病院を紹介して、
さらに精査後、手術を行っています。

手術後の病理結果では、9名の方がセミノーマ、
そのほかでは胎児性癌や混合性胚細胞腫瘍などでした。

また、他院から48名の方が当院へ紹介を受け、
再発や転居の方を除いて、現在も経過観察を行っています。

 


話は戻りますが、私はすぐに追加でCT検査を行い、転移のないことを確認した後、
当院の非常勤医師である大学病院の泌尿器科医に連絡を取ると同時に、
その日の午後には大学病院に行くように患者さんに説明しました。

大学病院では事前に連絡を受けていたため、再度細かな診察が行われ、
その日の夕方には手術が実施されました。

術後の経過も良好で、ステージ1の精巣腫瘍だったため、無事に完治されました。

 


以上のことから、お伝えしたいことは3点です。

早期受診の重要性:
異常を感じた際は、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。
当院では毎年精巣腫瘍の患者さんを診断しています。
早期発見により、治療の選択肢が広がり、予後が改善する可能性が高まります。


精密検査の必要性:
症状や触診で異常が見つかった場合は、
エコーやCTなどの精密検査を迅速に行うことで、正確な診断が可能となります。
特に、悪性腫瘍では、これらの検査が不可欠です。


医療機関間の連携:
地域のクリニックと大病院の間でのスムーズな連携が、患者さんの迅速な治療を可能にします。
この体制が整っていることで、患者さんの負担を最小限に抑え、
治療の成功率を高めることができます。

私たちのクリニックでは、悪性腫瘍が発見された場合、
迅速に治療が進められるよう、各病院と密に連携を取っています。
異常を感じた際には、早期に医療機関を受診することをお勧めします。

 


皆さんの健康を守るために、医療機関は協力し合い、全力でサポートします。

 

 

 

 

 

お気軽にご相談ください 泌尿器科 / 内科 / 腎臓内科 柏駅東口より徒歩3分 土曜診療あり

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