こんにちは。
クリニックの看護師チームです。
少し前のお話になりますが、8月に当院で初めて泌尿器科の手術を行いました。
その手術は膀胱癌の方に行う内視鏡的に腫瘍を切除する手術で、
「経尿道的膀胱腫瘍切除術」といいます。
この手術は脊椎麻酔(いわゆる下半身麻酔)で行うのが主流なのですが、脊椎麻酔は背骨の間に麻酔薬を入れて実施するため、脊柱管狭窄症がある方や、お年をめして背中の骨がつぶれてきてしまってきている人にはなかなか難しい処置となってしまいます。
しかも上記の方法だとたいていは入院が必要になります。
当院はクリニックであり入院施設がないため、従来の上記のような方法ではなく、小さい腫瘍にターゲットを絞り、小さい腫瘍を負担なく切除することを考え、脊椎麻酔ではなく、尿道から膀胱の中に細い管を使って麻酔薬を入れることで膀胱表面に麻酔をかける、表面麻酔という方法で行うことにしました。
この麻酔方法だと脊椎麻酔よりも断然容易に安全に行うことができ、患者さんへの身体的負担もかなり少なくなり、入院ではなく日帰りで行うことができます。
しかし表面麻酔でこの手術を行うのは初めてのことで、手術中に痛みがどの程度出てしまうのかが予測がつかなかったため、念のため他の麻酔も準備してから臨みました。
結果…。
最初に行った表面麻酔と座薬の使用のみで、痛みなく実施することができました!
8月に2人の患者さんの手術を行ったのですが、1人の患者さんは前回の手術のときに脊椎麻酔がなかなか入らずに大変だったというエピソードがある患者さんでしたので、手術が終了した後にご本人から
「前回の手術より断然楽だったよ~」というお言葉をもらい、とてもうれしかったです。
そしてつい先日、8月に手術したお2人が来院され、手術後の定期検査で膀胱鏡という内視鏡を用いて膀胱内を覗いてみました。
医師も看護師も、手術痕がどうなっているのか心配していた部分もあったのですが、手術痕はとてもきれいになっていて、どこが手術痕だかわからないほどでした。
最近も上記の手術を当院で行いました。初回の患者さんと同じように最初の表面麻酔のみで痛みの増強なく、安全に手術を終えることができ、安心しました。
看護師になり20年ほど経ちますが、何年働いていても医療の進歩により新しいことにぶつかることが多く、日々勉強です
今後も医師、看護師、事務スタッフ、みんなで協力し、チームワークを生かして良い医療が提供できるように、頑張っていきたいと思います!!
by YA